オンガクノハナシ第3回

こんにちは!一橋大学フォークソングクラブ(FSC)です🥁

「オンガクノハナシ」第3弾!!!

第2回のゲーム音楽の記事を読んでから、ペルソナのサントラをめちゃくちゃ聞いています…

今回お送りしますのは津田塾大学英文学科2年、ドラムの小林です!

「「記事書く!」と手を挙げたら「ロックの文化的意義について」というお題をもらいました!デカすぎる!!レポートが書けそう!!」

とのこと!それではどうぞ〜

♪♪♪♪♪♪♪♪♪

面白い論文を見つけました。

南田勝也『ロック音楽の三つの指標―文化の社会学の一方法論としてー』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaspmpms1997/2/0/2_0_35/_pdf

ちょろっと紹介します!

「ロックか否かを判断するのに必要な基準は、1.アウトサイド性 2.アート性 3.エンターテインメント性だよ」っていう論文です。

以下、1・2・3を具体的に。

1.アウトサイド性
「社会に従属しているか否か」という基準。

いかにも!という感じ。ワクワクしちゃう。

この基準の由来は、1960年代のカウンターカルチャー。

主にベトナム戦争で、覇権主義や資本主義の矛盾が露呈する時期です。その中で、支配的だった(今もだが!)西洋文化的な価値観が疑問視され、学生や労働者を中心に、その解体が目指されます。もちろん、オルタナ文化も模索されます。

このオルタナ文化志向が、50-60年代に労働者階級の価値観の取り込みをしていたロック音楽(由来はフォーク音楽)と、非常にマッチ。

ここで、「支配圏から除外されている、または否定する」こと、つまり「アウトサイドの立場に立つ」ことが、「ロックである」ことの正当性を保証するようになるんですねー。

希望を感じる、好き。

2.アート性
「芸術的か否か」という基準。

ここが一番面白かったです。論文読んでほしいです。

1で、ロックが「西洋文化的な価値観の解体」を目指す流れの中に息づいたことを挙げました。この「西洋文化的な価値観」を、芸術システムの視点から具体化すると、「芸術作品を高級/低級に振り分ける価値観」になります。「クラシック>ポピュラー音楽」の貴族文化的な価値観です。

これをぶっ壊すには、造反の有理を示して、「下流」の出自であることを擁立する必要がありました。この下流出自の擁立に、下層階級のイメージが強いロックは、適任だったわけですね。ただ、そのためには、まず音楽的・芸術的に評価されて、この戦いの土俵に上がる必要があります。

「なぜ芸術的評価が、戦いの土俵に上がることに繋がるのか」、芸術の記号的消費とか純粋趣味・必要趣味の観点から論じられています。めちゃめちゃ面白かったです。

面白いんですが…これをサクッとまとめるに足る文筆力がありませんでした。論文読んで下さい…。

3.エンターテインメント性
「ノレるか否か」という基準。

「思わず体が動いてしまうような感覚」を得られるか否か。

これに関しては、他のいろんな文献でも触れられてました。例えば、『ブリティッシュ・ロック 思想・魂・哲学』(林浩平、講談社選書メチエ、2013)では、「ロックンロール」という語源やリズムパターンの観点から、身体反応についての考察があったりします。おもろいです。

こんな感じですかね…?
論文を読んで文字を書いたら単位くれる、って誰か言ってました!単位をください!

もう最後にさしかかって「なんでもやってしまえ!」という気持ちなので、単位をねだったついでに、アルバムを1つ押し付けていきますね!

私が今年1番聞いたアルバム!論文内では、「アウトサイダー指標を過度に追い求めた」って形容されたジャンルです!世界一かっこいいので!ぜひ!

最後までお付き合いいただいてありがとうございました!

FSCには、音楽に対してデカすぎる愛をもってる人たちが沢山います。私はその熱量がすっっっごい好きです。音楽が好きな方、膨大な熱を何かに注ぎたい方、バンドしましょう!お会いできるのを楽しみにしてます。

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