オンガクノハナシ第5回

こんにちは!一橋大学フォークソングクラブ(FSC)です🥁

「オンガクノハナシ」第5弾!!!

今回はFSCのギタリスト2人がBOSS DDシリーズのディレイ弾き比べをしました!!

オンガクノハナシはじめての機材記事ですね🎸            

 エフェクターに興味のある方、もう持ってるよ!という方、ぜひご参考に!

それでは、どうぞ~

♪♪♪♪♪♪♪♪

みなさん

ディレイ、掛けてますか!!!!!!!!


 こんにちは。FSC4年のSKです。今回は初めての機材記事ということで、ディレイの大定番・BOSS DDシリーズの比較です。

 みなさんどんなディレイを使っているのでしょうか。私はずっとZOOM MS-50Gに入っているディレイを使っていたのですが昨年秋にBOSS DD-7を買いました。定番機ですね。

FSC部員のディレイの好みはさまざま。BOSS DDシリーズ、tc electronic Flashbackシリーズ、Electro-Harmonix Memory Man……などなど、思い思いに好きなものを選んで使っているようです。

さて、日本が世界に誇るエフェクターブランドであるBOSSのコンパクトエフェクターにはDD-2, DD-3, DSD-2, DSD-3, DD-3T, DD-5,DD-6,DD-7,DD-8といったデジタルディレイのラインナップがあります(DD-4は存在しないようです。噂では4は縁起が悪い数字だからナンバリングに使わなかったとか)。デジタル技術の進歩に伴ってディレイタイムが長くなったり機能が増えたり。DD-8は2020年に出た最新機種です。

そのDD-8を部員のYくん(三年ギター)が手に入れたらしく、しかもDD-3も持っているとのこと。それならもう2人でBOSSのデジタルディレイの比較をするしかないでしょう……!ということになりました。今回はBOSS DD-3、DD-7、DD-8。この3台の機能や音質を比較していきたいと思います。

BOSSの最新技術が詰め込まれたDD-8。それにDD-3とDD-7がどう立ち向かうのか……?

それでは、今回登場する3台の紹介です。

BOSS DD-3

ぼす

Yくんの私物。ジャンク品の状態で購入して半年放置していたら音が出るようになった。モードはS(50ms),M(200ms),L(800ms),HOLDの4種類。


BOSS DD-7

ぼす2

4年SKの私物。本当は最新モデルのDD-8が欲しかったが高かったので中古のDD-7を購入。モードは50ms, 200ms, 800ms, 3200ms, HOLD, MODULATE, ANALOG, REVERSEの8種類。

BOSS DD-8

ぼす3

Yくんの私物。最新モデル。モードはSTANDARD, ANALOG, TAPE, WARM, REVERSE, +RV, SHIM, MOD, WARP, GLT, LOOPの11種類(!)。

というわけで実際に弾いていきたいと思います!

ギターはストラト(BacchusのボディにT.S Factoryのネックを付けたもの)のフロントPU、アンプはYAMAHA THR5。この環境で比較していきます。

ロングディレイ

DD-3のL(800ms)モード、DD-7の800msモード、DD-8のSTANDARDモードでの比較です。3台ともディレイレベル、フィードバック、ディレイタイムを同じくらいになるようにして検証しています。

DD-3: 音の減衰が早いディレイ。ハイが落ちてややモワっとした印象ですが、その分アンサンブルにうまく混ざってくれそう。

DD-7: DD-3に比べるとディレイ音が煌びやか。アタック音がしっかり残ります。スタンダードなデジタルディレイという感じ。ドライ音もDD-3より聞こえやすいです。

DD-8: DD-7よりハイファイなディレイ。DD-7と同様にはっきりした音のディレイなのですが、DD-8のほうがディレイ音の1音目の主張が激しいです。1音目がガッ!とくる感じ。フィードバックの回数が同じでも減衰のカーブが違います。

ロングディレイの比較

正直、音を出すまでは3台の音質がこんなに違うとは思っていませんでした。他のモードの比較も楽しみですね。

ショートディレイ


DD-3のS(50ms)モード、DD-7の50msモード、DD-8のSTANDARDモードでの比較です。ギターソロなどで使う場面を想定して、Fulltone OCDで歪ませて後段にディレイを掛けています

DD-3: 使いやすい!ローファイで若干こもった感じの音なのですが、ショートディレイとして使うとちょうどいい。ドライ音を邪魔することなく、自然にサステインが伸びるような感じです。単音のリードフレーズが弾きやすくなる印象。

DD-7, DD-8: エフェクトレベルを下げてもディレイ音がけっこう残ります。音の解像度が高いためか、パキっとしすぎて原音を邪魔する感じがありました。ハイファイなディレイの宿命なのかもしれません。でもDD-7とDD-8にはアナログディレイモードがあるので大丈夫です。

ショートディレイの比較

というわけでANALOGモードの比較もいってみましょう。

アナログディレイ


DD-7とDD-8に搭載されているANALOGモードの比較です。先述のようなショートディレイとして使ってみます。

やっぱりショートディレイとして使うならこっちですね!多少エフェクトレベルが大きくても邪魔にならない自然なディレイです。DD-7の方が若干弾きやすくて好きでした。が、弾いている本人しか分からない程度でした。

ANALOGモードの比較

モジュレーションディレイ


ディレイ音にコーラスエフェクターのような揺らぎが付加されるモード。DD-7のMODULATIONモードとDD-8のMODモードでの比較です。

DD-7は派手にモジュレーションが掛かるのに対し、DD-8は比較的あっさりした味付け。好みが分かれそうですね。SKはDD-7の方が好きでした。「モジュレーションディレイってこうだよね」っていう音がします。分かりやすい。

モジュレーションディレイの比較



ちなみに、ディレイタイムを最小・ディレイレベルを最大にすることでディレイペダルをモジュレーションペダルのように使えるという裏技もあります。
この使い方だとコーラスとフェイザーの中間のような音になります。

ディレイをモジュレーションとして使う



ホールド/ルーパー


DD-3のHOLDモード、DD-7のHOLDモード、DD-8のLOOPモード、DD-8のGLTモードの4種類の比較です。

DD-3(HOLD): 短い音をマシンガンのように持続させる機能です。弾いたものを録音すると、それを持続的にガガガガガガッ!と鳴らし続けてくれます。この扱いが意外と難しく、所有者のYくんによれば「弾く瞬間じゃなくて弾いたちょい後にスイッチを踏む」と良いとのこと。初めて触りましたが苦戦しました。でも上手くいくと楽しいです。工事現場みたいな音が出せます。

DD-7(HOLD): DD-3と同じくHOLDという名前がついていますが、完全に別の機能です。飛び道具的なものではなくシンプルなルーパー。使いやすいです。でも工事現場みたいな音が出せないのはちょっと寂しいですね……しかし!

DD-8なら工事現場ディレイも普通のルーパーも入ってます。

DD-8(LOOP): ルーパーです。DD-7に搭載されているものと似てます。

DD-8(GLT): グリッチディレイと呼ばれるものだそうです。説明書によれば「機関銃のような音」の出るエフェクト。 これが最高に楽しい。

ホールド・ルーパー機能

SK「けっこう強く弾かないと反応しないのかな。でもDD-3のHOLDよりは全然使いやすい」
Y「DD-8のグリッチは弾いてから反応するまでの時間をTIMEノブで調整できるのよ。この時間が短いと扱いが難しいけど、長くすれば弾きやすいかな」
SK「なるほど……(試してみる)。でもタイム長くするとあんまりグリッチっぽくないね。(TIMEを下げてLEVELを上げて弾いてみる)おお~~~~~~~!フハハハハハハハハ!上手くいった!楽しい!」

興奮が伝わるでしょうか。ボイスメモを文字起こししていたら自分が本当に「フハハハハハハハ!」と言っていて驚きました。

GLTモード、初めて触ってすぐに使いこなせるものではなさそうですが飛び道具としてはなかなか楽しいです。お試しあれ。

リバースディレイ

DD-7のREVERSEモードとDD-8のREVERSEモードの比較です。…とは言ったものの、正直違いはあまり分かりませんでした。ボイスメモを聞き直すと「リバースディレイとはそういうものなのかもしれない」「よく分からないということが分かった」などと言っています。しっかりしてほしい。

リバースディレイ、意識が遠のいていくような音がして楽しいです。ロングトーンの単音フレーズやアルペジオを弾くとウワーーンといううねりが生まれます。

リバースディレイ

さて、DD-3とDD-7の出番はこれにて終了です。ここからはDD-8の新機能を試していきます。

WARP

マニュアルによれば『幻想的な音を作り出すディレイ』。それ以上の情報がありません。普通のディレイと何が違うのか……?

STANDARDモードと比べてみるとWARPモードの方はダブリングのような質感です。モジュレーションっぽさなのでしょうか。単音よりコードで弾いたときの方が違いが分かりやすいです。MODモードと似ているところもありますが、WARPモードの方がワーッと空間を埋めてくれる感じでした。

TAPE

テープエコーのモデリング。ディレイ音がちょっとだけ揺れてちょっとだけ歪みます。あと音が太い。音が太いんだけどこもった感じのないディレイです。イイです。DD-8の中では一番好きでした。


WARM

Y「ワーム?」
SK「ウォームです」
Y「ワームは虫か」

マニュアルによれば「暖かいデジタルディレイ」。個性が強いわけじゃないけど使いやすそうな音です。他のモードがうまくハマらないときに試してみるとよさそう。緻密に設定を追い込みたい人向けのモードという感じでした。


+RV

ディレイとリバーブがニコイチになった機能。空間系を複数並べるのは面倒だなあということがしばしばあるのでこういう機能はありがたいですね!
ただ、所有者のYくんによれば「あんまり好きじゃない。DD-8とは別にリバーブペダルを用意して並べたほうがいいです」とのこと。



SHIM

オクターブ上の音が出るディレイ。荘厳な響きになります。ディレイタイムを下げてエフェクトレベルをしっかり上げるといい感じです。アルペジオに合う!シマ―リバーブとはまた違った質感でした。


まとめ

DD-8、ディレイのバリエーションが多い!ハイスペックなディレイだともっとたくさんパラメーターがあったりするのですが、DD-8は複数のパラメーターをMODEノブ一つで引き受けているような印象でした。個性の強いモードがたくさんあるというよりは、LEVEL/FEEDBACK/TIMEの3つのノブでカバーしきれない部分を微調整したものが複数搭載されている……といったところでしょうか。

 一方でDD-3やDD-7のようなシンプルなエフェクターの魅力も改めて感じました。セッティングに神経質になりすぎず、ある程度のところで妥協できてしまうのは気楽でよいですね。それでいてしっかりいい音が出るのがまたありがたい。ユーザーフレンドリーとはこのことでしょう。

 3台の中で一番個性が強かったのはDD-7でしょうか。特にモジュレーションディレイを比較したとき、DD-7の味付けの濃さを感じました。DD-7のMODULATIONモード、私の中では今回のMVPです。ちなみにYくんのMVPはDD-8のTAPEモードとのこと。

 個性の強さでいえばDD-3のホールドディレイ、DD-8のグリッチディレイも。飛び道具として確実に使えるようにするにはちょっと練習が必要そうですが、使いこなせたらなかなかに気持ちよさそうです。


 というわけで、FSCnote初の機材記事として定番ディレイを比較してまいりました。いかがだったでしょうか。ディレイ探しをしている方のお役に立てば幸いです!エフェクターで遊びたい新入生のみなさん、お待ちしております!

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